そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)

f:id:yumeyumebooks:20190502120952j:plain瀬尾まい子さんの、今年の本屋大賞受賞作、「そして、バトンは渡された」です。


正直序盤は、どこにむかって話が進んでいるのかが掴み辛かったが、後半で感度の嵐になりました。


本作主人公は、母が二人、父が三人いて、今は血の繋がらない父とくらす少女で、一冊を通して成長していく物語。


家庭状況が複雑でも、それを不遇と捉えてしまうのは、ある種の傲慢なのだと本作を通して気づかされました。


そして、最後に視点が変わるクライマックスで、全てが温かさに包まれます。


複雑な関係だけど、重くない。


心温かくなりたい人は是非手に取ったほうがいい一冊だと感じました。

動画2.0(明石ガクト)

f:id:yumeyumebooks:20190501181419j:plain明石ガクトさんの、動画2.0です。

本書は、映像と動画の違いを明確に定義した初めて出会う本でした。

テレビが写し出す映像と、スマホでみる動画を、IPT(information per time)の観点から、あるいは視聴者層の時間の観点から述べ、いままで、そして、これからの動画のあり方を教えてくれます。

動画はこれからの時代の主流になっていくでしょう。

その時に、本書が必ず役に立つと思います。

ミライの授業(瀧本哲史)

f:id:yumeyumebooks:20190430220021j:plainもし、自分が14歳の時に本書に出会っていれば… と思うこと必至だと思います。


しかし、本書は14歳の子供達だけでなく、かつて14歳だった大人達でも、血肉とすることができます。


瀧本先生が、14歳に向けて語りかける授業形式の一冊。


君達は未来の住人であり、大人達は過去の住人である。


という瀧本先生は、14歳の子供達への授業を、未来への投資だと考えているようです。


授業内容なんですが、てっきりよくある未来予想の本なのだと思っていました。


で、読んでみると、「ミライ」の授業なのに、中身は過去の偉人の話が中心!


でも、これには意味があります。


有名人から、あまり有名でない方まで、その生き様の精緻な観察は、14歳の子供達に、「未来は創ることが出来る」と確信させるのに十分な物だからです。



述べられる偉人伝の数々は、独立しているようでありながら、実は少しずつ重なりがあり、自分の理解が深くなっていきます。


ちなみに、本書では冒頭で20人の偉人といいながら、蓋を開けてみると、19人しか出て来ません。


それは、残りの一人に、読者のあなたがなって下さいという暖かすぎるメッセージなのです。


そんなこといわれたら、ファンになること間違いないですね!

伝え方が9割(佐々木圭一)

f:id:yumeyumebooks:20190429120555j:plainお願いするとき
1相手にも利益産むようにする
2あえて二択に絞って選ばせる3相手の承認欲求を満たす
4「あなただけ」
5一緒にしませんか?
6相手が嫌に思う情報を付け足す→No言わす
7感謝の言葉を相手の返事の前に言う

キャッチコピーには
1感動的を前後につけたす
cf.そうだ、京都に行こう

2真逆の言葉をいれて、ギャップをうむ
cf.脱ぐために着る

3普段言語化しない情報をいれて、イキイキとした言葉にする。
cf.唇が震えてる。あなたが好き

4繰り返す

5重要な話の前に、強い言葉
cf.これだけは覚えておいて欲しいのですが~

博士の愛した数式(小川洋子)

f:id:yumeyumebooks:20190428180435j:plain第1回の本屋大賞受賞作、小川洋子さんの、博士の愛した数式です。


「私」が家政婦として派遣された家にいたのは、不慮の事故により、記憶が80分しか持たない数学者の「博士」


後、「私」の子供である「ルート」を含めた殆ど三人のみで、話は進んでいきます。



母子家庭である「私」と「ルート」といい、80分しか記憶が持たないため、服中メモだらけの「博士」といい、あまり恵まれてるとは言えない状況ながら、温かく、ほっこりした気分にさせてくれる一冊です。


三人の関係が、相手に見返りを求めない、無償の愛でまわっているからでしょうか。


数式の美しさに惹かれる描写が、あまりに綺麗だからかよもしれませんね。

二十歳の原点

f:id:yumeyumebooks:20190427193112j:plain今からほぼ半世紀前、学園闘争真っ只中で二十歳にして自ら命を絶った高野悦子さんの手記です。

資本主義や安保に反対する学園闘争は、通常、所謂団塊の世代によって美化される風潮にあったことは否めない。

この考えは、ただ、往々にして過去が美化されるという風潮の
産物の一つに過ぎないのではないか。

彼女は学園闘争に関わりながら、一貫した立場を取ることが出来ない自己の不確実性から目を背けることなく、自己の内で葛藤を続けた。

自己の確固たる意見を声高に叫ぶことが正義であった大学内で、自己との葛藤は、どれだけ孤独な闘いであったのだろうか。

彼女は弱い。

あれほど自殺する人は弱いといっておきながら、彼女自身が自らを殺めてしまったのだから。

けれど、これはつまり自己の弱さ、エゴイズムから目を背けなかった彼女の強さの裏返しだ。

彼女の苦悩が、聡明さを匂わせる詩的表現で滲みでる。

その言葉の一つ一つが僕の心を打った。

心よりお悔やみ申し上げます。

頭にきてもアホとは戦うな

f:id:yumeyumebooks:20190426182828j:plainアホは、理不尽に時間を奪ってくる。

けど、アホ相手でも人前で怒らない方がいい

アホは力持ってることが被いから、逆恨みは避けろ

けど、戦うべきはアホ相手に悩んでしまう自分

自分の時間は有限 目標決めて、それを実行するためと割りきり、アホには負けたフリをしてあげる

相手のニーズを掴むのがコミュニケーションのコツ

自分の困っていることを言って、相手を頼ることも大事

変化の瞬間こそ大事
準備と本気度を高めてチャンスを掴め