羊と鋼の森

f:id:yumeyumebooks:20190529124316j:plain宮下奈都さんの、本屋大賞受賞作、羊と鋼の森です。


学校の体育館にあるピアノを、調律師が調律し、音を作っていく課程や、ピアノから紡がれる音色に感動した主人公が、調律師となり、成長していく物語。


主人公は、物静かな性格であり、一見静かなタイプに思えるが、その内に秘めた音への思いの熱さに、気づけば引き込まれます。


ピアノの音色の描写が自然の風景を思わせ、本を読みながら、まるでピアノを聴いているような、それでいて、森の中を歩いているような、不思議な感覚にとらわれます。


答えのない音楽の世界を、一冊の小説として描き出してくれた本書に感謝します。

才能の正体(坪田信貴)

f:id:yumeyumebooks:20190512192731j:plain才能がある、といわれる人は正しいやり方で血の滲む努力をしている。

まず対象を「認知」して、情動、欲求によって動機付けを持続

やればできる→結果主義
正しい言葉は「やれば伸びる」

結果より経過を楽しめ

長期的な目標を見据える視野を持つ

過去や年齢を言い訳にせず、後悔しそうなことは今から始める

これからはバランス型より尖ってる方が大事

出来ない理由を他人のせいにするな 才能は自分の中にしかなく、変われるのも自分だけ

出来る人の行動を完コピ

親や上司のアドバイスは固有の成功体験だから上手くいかない
あくまで自分に合うやり方で

才能があるかどうかは自分自身が決めること

目に見えるビジョンと感情を動かすための大義で人は動く

自分の言葉でアウトプット

コミュニケーションを頻繁にとることで信頼関係が築かれる

発言の後は笑顔

最優先は目的、その達成を個々が考えられる組織が強い

話す時は最初に自分の恥ずかしい過去等を隠さず言うことで、相手から信頼を得る。

成功者も元は一般人

ハーバードの人生を変える授業

f:id:yumeyumebooks:20190508122941j:plain毎日、感謝できることを5つ書く

変化するためには、まず習慣化する

幸せになるには、楽しいことをするだけでなく、楽しいことをしていることを自覚する必要がある

意義を見出だす

他者の役に立てば立つほど、幸福感は大きくなる
幸福は対をなしてうまれる

困難を克服することで幸福になれる

辛かった経験を書き出すことで、気持ちの整理がつきやすくなる

やることに優先順位をつける。


などの、多くの「幸せ」になるための方法がのせられています。


ハーバードのような、海外の優秀な大学で、こうした授業が行われていることに羨望します。

恋文の技術

f:id:yumeyumebooks:20190506130915j:plain森見登美彦さんの、恋文の技術です!

完全に森見ワールド炸裂で、僕のような森見ファンにはたまらない作品です!

主人公守田が、様々な人に文通をすることで進んでいく珍しい構図で進んでいき、読み進める毎に、予想外の所に線が結ばれていくのが楽しいです。

主人公視点で語られながらも、他のキャラが魅力たっぷりなのも、流石森見作品で、読めば必ず文通したくなります!

ところで、聖地、湯乃鷺駅の両隣駅は、登場人物をもじって大塚駅と守田駅だそう。

聖地巡礼行く時間あるかなぁ…笑

自分は自分、バカはバカ

f:id:yumeyumebooks:20190505121238j:plainひろゆきさんの、自分は自分、バカはバカです。


いつも飄々としてらっしゃる、ひろゆきさんが、いかにメンタルを保っているのかが述べられています。


もし、天気が悪くなり、突然雨が降りだしても、それに対して怒ることはありません。


それは、天気に対して自分が怒ったところで、何も変わらないと、諦めているからですよね。


そこで、理不尽な要求を押し付けてくる上司や、無駄にマウントをとってくる部下も枠抜けにも同じように考えればよい、とひろゆきさんはいいます。


つまり、自分は自分、他人は他人なのだから、怒っても幸福度が下がるだけ、ということですね。

憂鬱でなければ仕事じゃない

f:id:yumeyumebooks:20190504120434j:plain藤田晋さんと、見城徹さんの、憂鬱でなければ仕事じゃないです。

見城さんの、仕事に対する哲学をのべ、藤田さんが、それにコメントしていく、という構図。

本書のタイトルである「憂鬱でなければ仕事じゃない」という言葉も、見城さんが話したものだそうです。

見城さんの仕事論は、とにかく熱い、そして強烈な努力の上に成り立つ成功を積み上げてきたからこそでる深みが凄いです。

藤田さんや、見城さんといった大成功者の人達ですら、仕事を憂鬱なものと考える現実的な本で、心に響きました。

影踏み

f:id:yumeyumebooks:20190503120711j:plain横山秀夫さんの、影踏みです。


死んだ双子の弟の声が聞こえる泥棒の話。



泥棒を、完全な悪では無く、泥棒なりの価値観が描かれており、死んだ弟との会話が、その理解を助けてくれます。



会話中心のためテンポ良く進むのが大変読みやすいけど、少し必然性が感じられない事象があった気はしました。