金閣寺
三島の最高傑作と言われる金閣寺です。
中学生の時難しくて挫折して以来の再読です。
あの頃よりは少し理解できるようになったかな?笑
主人公の完全な一人称視点で描かれる「美」に対する精緻なアプローチは素晴らしいです。
しかし、なぜ金閣を焼こうと思い立ったのでしょうか…
少年時代、金閣を見る前から、それを美の代表と思い込み、実際の金閣を、自身の内面での美へと近づけようとするという逆転方向への努力の結果、女性の美を眼前にしても金閣を思い浮かべるようになったのは、自身の吃音のコンプレックスが話す前に自身を観念的にしてしまうあまり、美に対する観念も屈折してしまった、ということなのでしょうか?
さすれば、厳密な一回性を持つ金閣を焼くことは、金閣の美を永遠のものにするという、ある意味自己完結で、じゃあなぜ完結しているはずの主人公を最後三島は殺さなかったのでしょうか…
やっぱりまだ僕のレベルでは理解出来ないです…(-_-;)
読書という荒野
読書を通した見城さんの生きざまが、折々熱を伴って身に迫って来るような感覚に襲われます。
野心を自己満足と切り捨て、「自己検証、自己嫌悪、自己否定」こそが人を進歩させると説く見城さんにとって、読書とは、人間を人間たらしめ、人生を動かす正確な言葉を獲得する手段であり、断じて情報を得る為ではない。
その見城さんを僕自身に憑依させた時、速読し、読んだ本の数を自慢する事が全くの無意味なんだとわかる。
「重要なのは、『何が書かれているか』ではなく、『自分がどう感じるか』なのである。」からである。
お金2.0
佐藤航陽さんの、お金2.0です。
読む前は箕輪さんが編集者というのとで、気楽に読み出したのですが、表紙からは想像できないくらい深く、かつ面白いです。
お金だけにとどまらず社会的にも未来に目を向けている本作で、資本主義の次の姿を価値主義と位置付け、お金はただのツールに過ぎないことを強調していることに驚きを覚えたのは、僕が資本主義の価値観に犯されているのでしょう。
あくまで一つの価値観に過ぎない資本主義から、価値主義への移行が実現するかどうか、大変興味深いですね!
人生の勝算
世界には、二種類の逆境があります。それは、努力や熱量で乗り越えていけるものと、本人の努力だけではどうしようもないもの。
前田さんは、後者の逆境を、無くそうとしています。
その熱量は、本を通してでもものすごく伝わってくるし、他人を巻き込めるのがとてもわかります。
その熱狂は、前田さんが、ぶれない「人生のコンパス」を持っているから産まれるのだそう。
つまり、他人の価値観を参考にしつつ、自己分析を通して、何を大切にするか目極め、人生のコンパスを手に入れる という愚直な努力こそが、圧倒的な熱量を産み出す道なのだと気づきました。
君の膵臓を食べたい
主人公の僕が、余命宣告を受けながらも天真爛漫なヒロイン、桜良と接していく中で成長していく様子に、「四月は君の嘘」を重ね合わせたのは僕だけじゃないはず!
桜良の最期は衝撃的で、序盤から時折出てきた、「誰の今日の価値も同じ」というのは、この最期の伏線だったのでしょうか…
名言も多く好きですが、僕が特に気に入ったのは二点です。
一点は、一人称は僕(名前は最後に登場)なんですが、厨二的な独白、小説らしい言い回し等が、高校生男子にとても寄り添っていた点。
もう一点は、名前を最後まで出さず、[秘密を知ってるクラスメイト君]のように、桜良達から主人公への心情変化を呼び方で表すのがとても新鮮だった点です。
最後に、本作で僕がもっとも気に入ったセリフで締めたいと思います。
「言葉は往々にして、発信した方ではなく、受信した方の感受性に意味の全てがゆだねられている。」
頭のいい説明「すぐ出来る」コツ
大きな情報(結論)→小さな情報(数字)
ここまでよろしいですか?で歩幅を揃える。
まず事実→主観を説明 の順。
一つの話に結論は一つ。
複数要点がある時は、その数を先に言う文章は出来るだけ短くする。
内容を箇条書きにする。←相手にメモして欲しいため
自分のスピーチに、一言でタイトルをつけるなら?と考える。
結論→良い点、悪い点を箇条書き→結論 の構成
主語「私は」を増やすと説得力が上がる。
人から信頼されたければ、まず相手の行動を見る。
自己開示が親近感を持ってもらうことにつながる。
語尾をはっきりさせる。
逆接の接続語はなるべく使わない。
自分の本気度を見せる。
相手の自尊心をくすぐる。
相手を先に好きになる。