フーガはユーガ

伊坂幸太郎さんの本屋大賞ノミネート作、フーガはユーガ です。


本作のテーマは、「勧善懲悪」でしょうか。


恵まれない生い立ちながら、一年に一度、誕生日にだけ体が入れ替わるという能力を活かした双子を、会話中での回想を軸として描いています。


中盤までは、(気分が重くなるほど)悪い人が登場し、彼らを「変身」を駆使しながら撃退しようとする、というと、いわゆるヒーローもののようですが、何と言っても最後は救われない…


もう少しハッピーエンドもあったのでは…
と思ってしまいます。

それでも、一見難しそうな今テーマで、一気読みさせられたのはさすが伊坂さんです。


特に、ラスト50ページで一気に伏線を回収する構成力には、脱帽させられること間違いないでしょう。