平成くん、さようなら
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本書のテーマは、死生観だと思います。
安楽死が合法化された舞台で、主人公が安楽死することを恋人に告げてから、平成の終わりまでを描く中で、皆が目を背けがちな「死」について考える機会を与えてくれます。
作中に、前田さんや落合さんといった人名がでてきたり、本書の主人公が、性行為を極端に嫌うことなどから、古市さんが小説という虚構を通して平成を描いたというのも大変頷けます。
けれども、平成では、やはり盲目的に生=善と結びつけている感じは拭いきれません。
そして、もちろんその考えが悪いとは僕は思いません。
ですが、古市さんはこの考えに疑問を投げ掛けている様に感じました。
古市さんが、あえて「平成」を通して、これからの時代を描きたかったのでは、、と考えるのは、僕の考えすぎでしょうか…?